フェイクニュースの見分け方













 フェイク・ニュースを見分けるといってもねぇ。日々のなりわいで忙しい人たちにとって、それはなかなか難しい話だと思うんですよ。

 この本のなかで「発信者を疑え」とか「根拠不明の情報は捨てろ」など、そのコツが色々と書かれていますけれど、ほとんどの人は論文やエッセイを読み比べたりしませんし、事実関係をいちいち細かくチェックしたりすることもありません。一読して「そうなのかな」と思って大抵、それで終わりです。

 でもそれは、別に人びとの情報リテラシーが低いからとかそういうことではなくて、メディアがちゃんと情報の交通整理を行なっていると考えているからでしょう。そして、その仕事に対してみんな購読料を払っているのだから、メディアはきちんと仕事すべきだという話なんですよね。

 メディアの情報リテラシーが落ち、フェイク・ニュースがあふれるようになったことで、個人がみずからそのリテラシーを高めて対処するしかないというのは、たしかに正論です。しかし、やはり問われるべきはジャーナリズムよりもコマーシャリズムを優先するメディア側のモラル低下にあるのではないでしょうか。

 メディアには今後も、国民の知る権利を代行するという重要な役割を担ってもらわないといけない。国民は何か起きても、ことごとく情報をフォローし、自分の頭で考えるほど世の中の動きに夢中ではないし、大体そんな暇がないわけです。

 安っぽい偽善や無駄な正義感を振りかざすことがメディアの信頼を回復することにつながっていないのだから、とくにリベラル系のメディアに関しては、その方向性をもう一度、考え直した方がいいのではないかと思いますね。