小田和正_時は待ってくれない














 NHK・BSプレミアムの「100年インタビュー」という番組で小田さんが出演した回についてまとめたものなんですけど、内容としては薄いですねぇ。とくに長年、ファンだった人からすれば、すでに小田さんがどこかで語っていたことをここでもまた、繰り返し語っているだけにすぎないと感じるでしょうね。

 形式としては、NHKの阿部渉アナウンサーが聞き役になって、小田さんにインタビューしているのですが、本音を探るような質問や人間性に迫るような問いかけはほとんどなく、当たり障りのない受け答えが終始、続くばかりです。阿部さん自身、小田さんのファンということで遠慮があったのか、あるいは、アーティストとしてのイメージを崩したくない小田さんの意向があったのか、定かではありませんが、正直、退屈で面白みがありません。

 これであれば、2004年、TBS系列で放送された「風のようにうたが流れていた」の方が、ずっと興味深く見ることができましたね。この番組は小田さんがホストになって、みずからの生い立ちから始まってどのような音楽生活を送ってきたのかを語るもので、小田さんの音楽的なルーツやその影響、さらに音楽に対するアプローチ、考え方などを知ることができて、実に充実した内容でした。


小田和正_風のようにうたが流れていた














 もちろん、「風のようにうたが流れていた」は1クールで1時間枠の番組だったので、その分、色々なことを盛り込める時間的な余裕があったのに対して、「100年インタビュー」は90分で1日のみの放送でしたから、内容を掘り下げるにしても制約があったことは推測できます。

 しかし、番組のコンセプトが「100年後の日本人に見てもらえる、100年後も色あせない人生観を語ってもらう」ということであれば、小田さんの人生観に深く切り込むような聞き方ができる人物をインタビュアーに起用すべきでしたね。これでは、テレビ版「私の履歴書」といった感じで、毒にも薬にもなりません。