6月13日に発売が予定されているモーニング娘。'18の両A面シングル「Are you Happy?/A gonna」から「A gonna」(Promotion Edit)のMVが公開されました。

 はっきり言って、これはもうアイドルの楽曲ではありません。バックトラックが削ぎ落され、ほとんどリズム隊のみでアレンジされています。こうしたトラックは歌い手の力量がダイレクトに問われるので、アイドルの楽曲として採用するのは避けるというのが一般的でしょう。多くの場合、アイドルの歌唱力はそれほど高くありませんからね。そのようなリスクを冒すことにメリットがありません。

 実際、その辺りの配慮は、ソロパートが小田ちゃん(小田さくら)とふくちゃん(譜久村聖)に対してそれぞれワンフレーズだけ割り振られているだけで、その他のパートに関してはユニゾンで処理されていることから推測することができます。しかし元来、こういうタイプの楽曲を歌いこなすことは難しく、ハロプロのレベルでも楽曲と歌唱が馴染むところまでには至っていないのだろうと思います。

 ただ、楽曲を繰り返し聴くと、「どんな挑戦を受けるか、どんな条件で挑むか、こんな緊張が続くか、こんな感情でやれるか」という歌詞があるように、この難易度の高い楽曲に対してモーニング娘。'18のメンバーがどのような答えを出してくれるのかという楽曲の作者、つんく♂氏の思いが透けて見えるんですね。いわば一種の試練というか、課題という位置づけです。そのように捉えると、なぜこの挑戦的な楽曲が選ばれたのかという疑問に対して、答えがなんとなく見つけられるような気がします。

 もちろん、挑戦という意味では、モーニング娘。'18のメンバーだけでなく、つんく♂氏もまた、この楽曲においてジャングル(最近はドラムンベースというのかしら?)を意識したリズムをいかにJ-POP流に解釈するかという難易度の高い取り組みに挑んでいると言えます。これは実に面白い試みが始まったと思いますね。

 ジャングルに関しては、今から約20年ほど前、小室哲哉氏がダウンタウン(松本人志・浜田雅功)と組んで「WOW WOW TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」という楽曲をリリースし、ミリオンセールスを記録したことがありますが、その後、日本ではジャングルが一般に定着したとは言いがたく、率直に言ってクラブミュージックの愛好者の間で支持されるにとどまっていました。

 もともとつんく♂氏は、「スカ」というリズムを日本のポップスに定着させた功労者ですからね。今度は「ジャングル」をどのようにポップスとして洗練させていくのか、これはアレンジャーの大久保薫さんの仕事にも大きく関わることになるのかもしれませんが、今後の推移に注目したいところです。