十年ほど前、外交や軍事の分野でインテリジェンスへの関心が大いに盛り上がりましたが、最近はやや落ち着いてきたように感じます。国家安全保障会議や特定秘密保護法など、インテリジェンスに関する制度や法律ができたことで、一定の満足感が得られたからかもしれません。

 しかし、日本では相変わらず、インテリジェンスの統合機能が弱いと言われていますし、工作部門も持っていません。そのため、政府全体の方針にもとづいて体系的な情報活動が行なわれているかといえば、おそらく今もそうなっていないでしょうし、海外で何らかの工作活動を行なうにしても、その責任を担う政府機関が存在しないので、実質上、その状況では着手できないし、着手すべきではありません。

 他の主要国は、いずれも専門的な情報機関を持ち、工作部門を通じて公然情報だけでなく、人脈を介した情報収集や宣伝・広報、政治的な働きかけなどを行なっていることを考えると、日本の状況は心許ないと言わざるを得ません。とくに今後、日本が国際社会のルールに関わる役割を果たしたいのであれば、こうした活動を充実させることは不可欠でしょう。

 ただ、インテリジェンスというと、やたらと嫌悪感を持つ人がいることもまた、事実でありまして、こうした問題の背景には、やはり日本においてインテリジェンス・リテラシーの低さがあるように思われるんですね。そういうわけで、そのリテラシーを高めるのにふさわしい動画があったので、以下にリンクを貼っておきます。
















 講師は、日本で長くインテリジェンスの大切さを説いてこられた、京都大学名誉教授の中西輝政氏です。残念ながら会員登録(無料)を行なわないと全編を見られない仕様になっているようですが、興味のある方は聞く価値があると思います。