歴史家、とくに外交史なんてやっていると、政府の外交文書こそが読むべき史料であって、他の文書はゴミだと言わんばかりの人がいたりするんですね。

 しかし、そもそも外交文書というのは、もっとも政府の政治的な意図や目的にもとづいて公開される文書といっても過言ではないわけです。となれば、外交文書だけ読んでいればいいという人は、その政府にとって都合のいい歴史しか書かない、もしくは、書けない歴史家ということになります。人はそれを御用学者というのです。

 そのため、政府が公開したものではない歴史的な資料にも触れて、政府にとって都合のいい歴史を相対化することが必要になります。

 もちろん、それが行きすぎると陰謀論の世界に没入するおそれがあるわけですが、しかし、政府文書に記載された事実だけが歴史的な事実であるはずがなく、それとは別に、どのような事実が存在するのか、色々と考えたり調べたりすることは、歴史の多様性を知る上でとても重要です。

 今回、著名な歴史学者、ニーアル・ファーガソンの「History's Hidden Networks」という対談形式の講演の動画があったので掲載しておきたいと思います。

 ファーガソンの議論には違和感を持つ学者も多いようですが、歴史を見る視点として耳を傾けるべきポイントもあるので、興味のある方はスピード・ラーニングのつもりで聞いてみると良いでしょう。