J・ヤング_アイデアのつくり方















 会議が行き詰まると「何かいいアイディアないかなぁ」というコメントする人がよくいます。そういう本人だって何も思いついていないんだから、周囲にいる責任の軽い人たちに聞いたって、やっぱり何も思いついていないことが多いですね。しかも聞いてすぐに出るアイディアなんて、所詮、大したもんじゃないですから、そんなコメントを吐くこと自体、ナンセンスと言えばナンセンスです。

 アイディアを出すということ、それを単なるひらめきと思っている人が結構、いるんですけど、本当はそうではありません。アイディアとは意図的に作るものであり、突然、空中にポンと浮かぶようなものではないんですね。

 じゃあ、どうやって作るのか。この本では結局、アイディアとは新しい要素を探してくることではなく、既存の要素を新しく組み合わせることだと言い切っています。そのために、資料を収集し、内容を理解する。そしてしばらく問題を放置し、頭のなかが整理され、落ち着いて考えることで要素ごとの関連性を発見し、それをアイディアとして具体化していくというプロセスであると説明しています。

 つまり、まったくの白紙の状態からアイディアは生まれませんよ、ちゃんと準備しないと、まともなアイディアなんか出ませんよと言っているわけです。考えてみれば、当たり前のことなんですけどね。

 したがって苦し紛れに「何かいいアイディアを出せ」と言われても、こちらは何の準備もしていないから、その場の思いつき以上のことを出すことはなかなか難しいです。やはり事前に準備して、アイディアを出す場を作ってやることが必要なんでしょう。

 そういうことですから突然、人を集めて「何かいいアイディアを出せ」といって何も出てこなかったからといって、こちらに文句を言ってはいけません。この間も急に呼ばれて、何か意見を出せと言われたんですけど、こっちだってあなたの都合に合わせて生きているわけじゃないんで、そんな無茶ぶりにすぐ応じられるわけがありません。まったく、勘弁してほしいもんですよ。