医学部入試の件で世間が騒いでいますけど、女子や浪人生への冷遇は大分、前から言われていたことですよね。

 高校時代、医学部を目指している友人がいて、その友人が見せてくれた受験情報誌のなかに、某国立大学医学部は浪人生に不利とか女子枠があるとかいう話が載っていたことを記憶しています。「えー、浪人したら点数がつかないなんてひどいなぁ」と思ったもんです。なぜなら予備校に行くと、そういうことを知らずに医学部を目指して浪人を重ねている人が結構、いましたからね。あの人たち、無事に医学部に行けたのでしょうか。

 ただ、そういう差別的な入試を行なっている事情も分からなくもありません。他の学部と違って医学部は実質上、メディカル・スクールであり、専門職大学みたいなもんですからね。実際、医学部を卒業した後、ほとんどの人は医者になるわけでしょう。医学部卒で普通のサラリーマンになっている人がいたとしたら、むしろ、何か不祥事でもやらかして医学界から追放されたのかという疑いをもって見てしまいますね。

 当然、医学界全体の労働市場をマネージメントする立場から考えると、医者の教育・育成にかかる時間的・経済的な問題や実働期間、専門科の人員配分、年齢構成、男女比など、総合的に判断して入試段階から必要な人材を調達できるような仕組みにしておこうとするでしょう。そういう意味で、実働期間が少なくなる浪人生や専門科の選択に偏向が見られる女子への扱いが悪くなるのは、理由がないわけではないということです。

 だからいっそのこと、大学医学部もロースクールと同じように、メディカル・スクールになって名実ともに専門職大学としてやっていった方がいいのではないかと思うんですね。そういうふうに割り切ってしまった方が業界の事情も反映しやすいでしょうし、余計な配慮も必要ないでしょうしね。ダメなのかなぁ。