メディアを見ていますと、安田氏のことについて英雄か、英雄じゃないかということで、しょーもない論争が巻き起こっているみたいですね。

 まぁ、英雄だと持ち上げているのは今後、彼を利用して金儲けしようと思っている人たちでしょうから、世間の関心を引き付けるために、安田氏を英雄ということにしておきたいのでしょう。そうでなければ、彼を利用している側の人間も彼と同様、批判されることになりますからね。客寄せパンダとして使えるだけ使って、あとはポイといったところじゃないですか。

 推測するに、安田氏の身柄が解放されたのは、日本政府と武装勢力の間で何らかの取引があったというわけではなく、おそらく安田氏を拘束していた武装勢力が最近、劣勢になり、拠点を移すにあたって邪魔になったから捨てたというのが真相ではないかと思います。

 日本人ということで、人質ビジネスに手を染める武装勢力としてはカモネギに見えたでしょうけど、日本政府が身代金を払う意思がなく、安田氏の家族や支援者などもそれを払う能力がなく、結局、金にならない奴をいつまでも囲っていても意味がないと判断されて、そのまま置いていかれたのでしょう。

 映像を見る限り、やつれた様子ではないし、肌色もよく、「監禁生活は過酷だった」という言葉を裏付けるような悲壮感は今のところ、垣間見ることはできません。帰国する飛行機のなかでも記者のインタビューに気安く応じており、心身ともに健康であることがうかがえます。

 そのため、一部では自作自演ではないかとか、本当に監禁されていたのかという疑念も抱かれているようです。そこは確固たる証拠がないので何とも言えませんけど、厳しい拷問や虐待が連日、続いていたようには見えませんし、たしかに不自由なことも多かったと思いますが、監禁生活そのものはそれほど劣悪な環境ではなかったと思われます。

 安田氏の過去の言動を見ると、今回の件で同情する余地がないと言いたくなるのは分かります。実際、彼は何度も武装勢力に身柄が拘束されており、その段階でもはやプロのジャーナリストとして失格ですし、その職責もきちんと果たしていません。申し訳ないけど、騒動を起こして世間からバッシングされるユーチューバーと大差ないレベルと言われても抗弁できないでしょう。

 そういう人を英雄と持ち上げるのは、やっぱり下心がある人間のすることです。その下心に伸るか反るかは、安田氏が決めることですが、ジャーナリストとしての職業倫理をまじめに考えているなら、これまでの行為について反省の弁を述べ、その上で果たすべき役割を担うのが筋だと思いますね。